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正社員とは何か概念としての「正社員」と統計上の「正社員」の定義は同じではない。
「正社員」雇用関係は、個人・企業双方の包括的な労働力の取引である。
①期間的にいえば、それは定年までの雇用継続を前操とするものであり、②仕事内容からみれば、そのつど企業が求める要請に個人が応えることが想定されている。
そのかわり、③企業は一定以上の安定した賃金を保証する。
しばしば、正社員の雇用関係は個人の企業に対する強い拘束性と高い処遇の雇用関係として理解されている。
これは一面の真理をついているが、十分だとはいえないだろう。
とくに、②の企業の要請と個人の対応は、拘束性だけでは説明しきれない。
個人の企業へのコミットメント(関わり)と企業の期待は個人を拘束するのではなく、むしろ個人の裁量にまかせたうえで、成果を期待するという関係である。
そこには双方の信頼関係がある。
企業は、目に見える個人成果だけで処遇するわけではない。
あえて拘束性を使うとすれば、企業による外的拘束よりも個人の内的拘束が重要ということになる。
しかし、その場合、「拘束」という言葉を使うよりも「コツトメソト」という用語のほうが適切であるように思える。
本書では、上記①②③をすべて満たす雇用関係にある人を「正社員」と呼ぶ。
ただし、統計はこうした基準で取られているわけではないし、こうした基準で調べることは可能でもない。
だから統計上は「期限の定めのない雇用」で「通常の」所定労働時間で働く人を正社員と呼んだり、「いわゆる正社員と呼ばれている人」というような曖昧な定義で呼んだりしている。
もちろん、こういう人たちであっても、彼らの働く企業そのものが五年や一〇年ももたないと当初から思われているケースも少なくない。
そうした場合、定年までの雇用などは問題外である。
また現実には、長引く大不況のなかで個人は定年までの雇用という暗黙の約束に疑いをもっている。
にもかかわらず、雇用関係としての「正社員」は明らかに非正規雇用の個人とは異なっている。
以下で示す統計はそのような定義の数字である。
圧倒的多数は正社員雇用形態別の就業者を系統的に調べているのは、つい最近まで総務庁統計局が毎年実施し非正規の職員・従業員注:2001年までは『労働力調査特別調査』の2月調査,2002年は『労働力調査』の1~3月平均。両調査は同一ではないので,数字の取り扱いは要注意。ていた『労働力調査特別調査』(4)である。
二〇〇二年度からは『労働力調査』に統合されている。
サンプル数、時期などが異なるので両調査を直接接続することには慎重でなければならないが、近年の傾向は把握できる。
雇用形態は勤め先での呼称によって、「正規の職員・従業員」「パート」「アルバイト」「労働者派遣事業所の派遣社員」「契約社員・嘱託」「その他」の六つに区分されている。
また、パート以下すべてを一括して「非正規の職員・従業員」としている。
これによって雇用者の雇用形態別増減をみたのが、図表1-4である。
明らかに正規の職員・従業員は減少しつづげ、非正規が増えている。
この図をみると、今どき正社員の話をすることなど流行おくれだといわれそうである。
しかし、比率についてみると、そうもいえない。
正社員と非正社員の区分をもう少し詳しくみよう。
やや古いが、労働省『就業形態の多様化に関する総合実態調査(平成十一年)』(二〇〇〇年発表)がある。
そこでは従業員形態が次のように細かく区分されている。
「いわゆる正社員」現在の企業で雇われている労働者のうち、特に雇用期間を定めていない者。
なお、パートタイマー及び他企業への出向者は除く。
「契約社員」専門的職種に従事することを目的に契約に基づき雇用され、雇用期間の定めのある者。
「臨時的雇用者」臨時的に又は日々雇用されている者で、一ケ月以内の雇用期間の定めのある者。
「パートタイマー」以下の二つのタイプに分けられるが、図表1-5では合算している。
「短時間のパート」いわゆる正社員より一日の所定労働時間が短いか、一週の所定労働日数が少ない者。
雇用期間は一ケ月を超えるか、または定めのない者。
「その他のパート」いわゆる正社員と一日の所定労働時間と一週の所定労働日数がほぼ同じ者。
雇用期間は一ケ月を超えるか、または定めのない者で、パートタイマーその他これに類する名称で呼ばれ「出向社員」「派遣労働者」をしている者。
他企業より出向契約に基づき出向してきている者。
出向元に籍をおいているかどうかは問わない。
労働者派遣法に基づく派遣元事業所から派遣された者。
「登録型」とは、派遣会社の派遣スタッフとして登録しておく形態。
「常用雇用型」とは、派遣会社に常用雇用として雇用されている形態。
男性の圧倒的多数は正社員である。
また、女性も半数は正社員である。
私たちは雇用形態の多様化で非正社員ばかりに注目しているが、雇用の中心が正社員であることを忘れてはならない。
男性だけでなく女性にとっても正社員こそが重要であろう。
契約社員はごくわずかである。
また、女性の多くがパートタイマーであるが、多くは既婚女性であり、正社員たる夫の収入をベースに生活していることも周知の事実である。
その意味で、正社員のあり方こそが決定的に重要なのは明らかである。
とはいえ、非正社員の増加そのものも事実である。
非正社員の近年の動向ほどうなのだろうか。
まず、男性からみておこう。
正社員は二正社員〇〇一年八月の時点で二五〇六万人であり、全体の七八・三%(八六・一%)を占める。
ついで多いのが役員の二八八万人で九・〇%である。
あとは、アルバイトが一六三万人で五・なっている。
括弧内は雇用者から役員を除いた数を分母としたときの割合である。
傾向的にみると、アルバイトが増えている。
これは主として若年者である。
ここではデータは示さないが、この五、六年で若年者のパート・アルバイト比率は約三倍となっている。
また、二〇〇一年八月には「派遣社員・契約社員・嘱託など」が急増している。
女性と同じように派遣社員が増えていることも影響しているだろうが、公的年金受給年齢の引き上げにともなって、定年を迎えた六〇代前半層を再雇用制度などにより嘱託として雇用していることが強く影響しているものと思われる。
この層は今後とも増えるであろう。
いずれにせよ、男性においては、若干減少しているとはいえ、雇用の中核が「正社員」であることに違いはない。
次に、女性についてみてみよう。
女性ではパートタイマーが増えていることが明瞭である。
正社員と非正社員は数的に括抗している。
二〇〇一年八月時点で、その比率は五二・九%対四七・一%である(役員を除く)。
パートタイマー、派遣社員などの増加を見通せば、非正社員が正社員を凌駕するのは時間の問題であろう。
とはいえ、女性でも半数は正社員なのだという事実は、今一度確認しておく必要があるだろう。
雇用関係の法的規制は今、大変革期にある。
根本的な変化が起ころうとしている。
二〇〇三年中に改正法案が通常国会に提出される見込みとなっている、労働基準法と労働者派遣法、職業安定法の見直しである。
本書の執筆時点での状況について説明しておこう。
まだ最終的な決着はついていないが、大きな流れについて、説明しておくことが必要だろう。

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なお、個人的には就職活動ナビの定義の不明確な難しい言葉を使う文章は決してよい就職活動ナビの文章だとは思いません。